ジョージア工科大学での語学研修

ジョージア工科大学での語学研修

 

 私は、アメリカで勉強や研究をしたいと思ってきましたが、英語はまったく苦手でした。高校時代や大学受験のことを振り返った第12章でも述べましたが、高校時代あまり勉強しなかったので、英語は全然できませんでした。それでも、アメリカの遺伝学者たちや、アメリカの科学や大学での研究の文化に憧れて、アメリカで勉強したいと思ったわけです。今から考えてみると、ちょっと無謀と思うところもありますが、私は多分、こうだと思うと、他のことはあまり目に入らなくなってしまう性格なのだろうと思います。あまり器用な生き方はできそうにありませんが、この時も、英語ができないからと言って、アメリカ留学を諦めて会社に就職しようといったようなことはまったく考えていませんでした。昔からそういうところがあったのだろうと思います。

 

 ジョージア・テックでの語学研修では、会話から英文法、英作文など、かなり密度濃く英語の勉強をすることができました。クラスは、日本人や韓国人が目立っていましたが、南米からの留学生やヨーロッパからの留学生も多かったと思います。みんな喋るのがとても上手で、一番はじめのクラスではとても驚きました。ほとんど喋れない自分がここにいてはまずいのではないかと思ったものです。私は英語をほとんど喋れないと前にも書きましたが、多分英語だけではないのだろうと思います。たとえ日本語であったとしても人前で喋るのは苦手ですし、つまり、英語が喋れないのは、そもそも人前で話したりすること自体が苦手だからなのだろうと思います。その一方で、南米などからの留学生は、スペイン語のひどい訛りがあり、よくよく聞いてみれば、文法的にも結構間違えているところもあっただろうと思いますが、それでもとても楽しそうに話をしてくれていました。英語で話をする時には、細かいことを気にせずに、コミュニケーションを楽しむことが大事なのだろうと思いました。細かい発音、細かい文法などは気にしないで、とにかく話をして、伝えたいことを相手に伝えるということが大事なのだろうと思います。南米などからの留学生が、必ずしもうまいとは言えない英語で物怖じもせずに話をしているのを見ていて、私も見習わなければと思う一方で、そうは言ってもやっぱり性格なのだろうと思いますが、人前で話すことはやっぱり苦手でした。なので、これはもう性分なのだから仕方ないことだと割り切り、うまく喋るといったことや、英語の微妙な発音や綺麗な発音をするなどといったことはそこそこに努力して、とにかく英語でわかりやすい文章を書けるように、文法の勉強や英作文の勉強にエネルギーを注ぐことにしました。アメリカに渡った頃は、うまく喋れないことに劣等感を感じたりもしたので、気分を切り替える上で、この戦略はとてもよかったと思います。