デラウェアってどこ?(Dela-where?)
やっとの思いで見つけ出した、私が進学することができた大学院は、アメリカのデラウェア州というところにありました。デラウェア州は、アメリカの建国に関わっていた州の1つ(Wikipedia“13植民地”より)なので、アメリカ50州の中でも特に由緒のある州の1つであるということができると思います。日本人にとっては、デラウェアと聞いて、種無しブドウの品種であるデラウェア種を思い浮かべる方も多いのではないかと思いますが、しかしブドウの品種名自体はオハイオ州にある町の名前に由来するものだということなので、デラウェア州とは直接関係はないそうです(Wikipedia“デラウェア(ブドウ)”より)。このように、一見日本人にも馴染みがありそうな州のように思われますが、実際には日本人にはほとんど馴染みのない州ないのではないかと思います。と言いますのも、アメリカ人にとってさえも、アメリカ50州の中でデラウェア州は知名度がかなり低いらしく、デラウェア州がどこにあるのかさえ知らないアメリカ人も多いらしいのです。Delaware州がどこにあるかわからないことをモジって、Dela-where?などとジョークにされることもあると伺いました。
デラウェア州はアメリカの東海岸に位置し、ちょうどニューヨークとワシントンDCに挟まれるようなところにあります。私が初めてデラウェア州を訪れたときには、お隣りのペンシルベニア州のフィラデルフィア空港を使いました。日本からフィラデルフィアへの直行便は、当時は多分なかったのではないかと思いますが、どこを経由したかちょっと覚えていません。フィラデルフィア空港からは、大学のあるニューアークという町までタクシーかリムジンバスを使わなければなりませんでした。料金のこともあり、タクシーを使う気にはならなかったので、空港の案内所でリムジンバスを手配してもらったのですが、リムジンバスがなかなかやってこなくて、ものすごく待たされてしまいました。右も左もわからないようなところに日本人一人取り残されて、とても心細かったことを覚えています。
気候の変動で最近の状況はどうなっているのかよくわかりませんが、私が滞在していた当時は、冬になると大雪が降ったこともあり、そして夏になると、アパートの裏の水はけの悪い芝生の水たまりでホタルが飛び交っているような、そんな自然も残されたところでした。同じアメリカとは言っても、ニューヨークのような大都市とは全く異なるとても素朴なところでしたが、それゆえに治安も比較的良かったでしょうし、自然もたくさん残されていたところだったので、遊びの誘惑から逃れて勉強や研究に集中するにはうってつけの環境ではなかったかと思います。