台湾の気候
台湾は、一応亜熱帯地方に区分されるのではないかと思いますが、台湾に渡る前は、いつも太陽がサンサンと輝いているような、とても暑いところだというイメージを持っていました。一年中、いつも短パンとTシャツで過ごせるようなところだと思ってしまっていたので、台湾に向かうときには、冬の衣類の準備はまったくしていきませんでした。実際、私が台湾に初めて降り立った9月の下旬は、まだ夏の陽気が残っていたでしょうし、昼間はまだとても暑く、体感温度としては35℃を超えているのではないかと思うくらいだったので、短パンにTシャツで研究所に通っていました。しかし、11月、12月になってくると、だんだん寒くなってきました。それでも気温は20℃前後だったと思うのですが、短パンとTシャツで過ごすことがだんだんと辛くなってきたのです。研究室の助手をしていた女の子たちから、「そんな恰好で寒くないのか? 大丈夫か?」と心配されたりもして、ちょっと悲惨な状況に向かいつつありました。多分日本よりも気温は高かっただろうとは思いますが、真夏の暑さを考えると、亜熱帯の台湾とはいえども、冬はやっぱり寒く感じるのだということを体験することができました。気温としては日本の真冬よりもだいぶ高いのだろうと思いますが、それでも冬にはコートが必要になるくらいです。実際、台湾で放送されていたテレビで、コンビニのおでんのCMに出てくる女の子が、厚めのコートを着て、熱々のおでんをフーフーしながら食べているシーンを見ていると、多少違和感を抱きもしましたが、それでも実際に、短パンにTシャツで過ごすには辛さを感じていた自分には、台湾でも冬にはコートが必要なのだということに、妙に納得させられもしました。
というわけで、正月に冬物を取りに、いったん日本に帰国することにしました。台湾に渡ってまだ3カ月くらいだったのですが、台湾の旧正月にあたる春節を盛大にお祝いする台湾の先生方も、日本人は正月を祝うことを理解してくださっており、「正月は日本に帰らないのか?」と勧められたこともあって、渡りに船とばかりに、冬物を取りに日本に1週間ほど帰国させてもらうことにしました。