体の危機
台湾に滞在していた時には、魯肉飯を大盛で食べていたり、焼き餃子ばかりを食べていたりしていたので、だんだんと自分の体が肥えてしまっていたことには気が付いていましたが、しかし実際に体重計がなかったこともあり、どれくらい太ってしまっていたのか、わかりませんでした。しかし、正月に日本に帰国したときに、実家の体重計で測ってみたところ、たったの3か月の台湾滞在で、体重が10kg以上も増えてしまっていたこと、そして体脂肪率が30台後半になってしまっていたことがわかりました。正直、こんなに増えているなんて思ってもみませんでしたし、自覚症状はあまりありませんでしたが、体の健康状態も、かなり危機的な状態だったと思います。そんなこともあったので、自分自身の体の健康のことを、それまで以上に気にかけるようになりました。
その一環として、せっかく台湾に来ているのですから、台湾の文化を学びたいと思っていたこともあり、ウーロン茶について、少し勉強してみようと思いました。といいますのは、台湾の研究所で、机に座って論文を読んでいると、毎回毎回、耐え難い睡魔に襲われてしまうので、砂糖やミルクがあらかじめ袋に一緒に入っているインスタント・コーヒーをよく飲んでいたのですが、砂糖やミルクが大量に入っていたようで、これも体重の増加に一役買っていたのだろうと思ったためでもあります。砂糖というのは、毎日多量に摂取していると、なかなか摂るのをやめられなくなってしまうようで、砂糖が入っていないと物足りなく感じてしまいますが、そこを我慢して、甘いコーヒーを飲む代わりに、ウーロン茶を飲むことにしました。でも、これが結構興味深いのです。奥が深いと言いますか、これが結構楽しいのです。
何が楽しいかというと、まず、ウーロン茶にはいろいろな種類があります。日本でよく見るウーロン茶は、ペットボトルで売られているような、濃い茶色のウーロン茶だけだと思いますが、台湾のちょっと高級なウーロン茶屋さんに入ってみると、本当にいろいろな種類があります。そして、それぞれのお茶にも、高級なものから低級なものまで、さまざまあります。日本で手に入るような、茶色の濃いウーロン茶もありますが、緑茶のような淡い色をしたウーロン茶もあり、また香りも、花のような香りが楽しめるものなど、とてもバラエティーに富んでいました。そして、おいしいウーロン茶を入れるためには、急須などの茶器が必要になりますが、急須だけでもさまざまな形状や模様をした器があり、眺めているだけでもとても面白かったです。そして、おいしいお茶を入れる方法にもいろいろな手順があり、例えば、急須ごとお湯を回しかけるといった手順を、お店の人に教えてもらいました。また、お茶の味を楽しむだけではなく、おちょこのような聞香杯という器に残ったお茶の香りを楽しむなど、いろいろな楽しみ方があります。私も、ウーロン茶用の茶器と道具を一揃い購入し、ウーロン茶屋さんで教えてもらったことを、アパートで実際に試してみたりして、ウーロン茶を楽しんでいました。これらの茶器は、日本に帰国したときにも、一緒に持って帰ってきました。
研究所で眠くなると、それまでは砂糖が多量に入ったインスタントのコーヒーを飲んでいましたが、自分の健康を気にかけるようになってからは、前日に入れた、ふやけたお茶の葉っぱが入った急須をもって研究所に通うようになりました。お湯はいつでも手に入ったので、急須にお湯を入れて、おいしいウーロン茶を飲むようにしていました。
台湾から持ち帰ったウーロン茶の茶道具セット。ここ数年の間は、置く場所がなくて、ずっと押入れの奥にしまっていました。最近寒くなり、乾燥してきたこともあって、水分補給も兼ねて、またお茶を飲み始めました。いろいろなお茶を楽しみたいと思います。 三代