台北巡り
台湾は、日本人にとって、とてもメジャーな海外旅行先だろうと思いますし、それゆえに、例えば、台北での観光スポットについての情報は、日本人にとっても比較的容易に手に入れることができたのではないかと思います。特に日本人にとって台北といえば、全身マッサージや足底マッサージのような、美容やリラクゼーションを思い浮かべる人も多いのではないかと思いますし、実際、私が日本から持ってきたガイドブックにも、そのようなお店がいろいろと紹介されていました。私も、台湾に渡ってから急激に肥えてしまい、おまけに膝を痛めてしまったこともあって、自分の体に対するメンテナンスの必要性を感じていたので、ガイドブックを頼りに、このようなマッサージ店を巡ってみたりもしました。これも、異国の文化体験の一環ということになるのかと思います。
このようなわけで、ガイドブックを頼りに、台北にあるマッサージ店を訪ねてみることにしました。一刻も早く、痛めてしまっていた足を良くしたかったので、ガイドブックにいくつか載っていた、足底マッサージのお店の1つに入ってみることにしました。私が日本にいたときには、値段が高いという印象があり、マッサージなど受けたことはなかったと思いますので、台湾で初めて体験することになるのだろうと思います。私も一応は、これまで科学の世界に身を置いてきたつもりだったので、例えば、中国何千年の歴史だとか、得体のしれない何とかパワーだとかを謳っているような、そういったマッサージに対しては、その効果について、これまで比較的疑いの目で眺めてきたと思いますし、なんでも鵜吞みにせずに、むやみに信じないようにしてきたように思います。足底マッサージがそうだとは、この時も思っていたわけではありませんが、でも実際に、足底マッサージを受けてみたら、とても不思議な感覚を体験することになりました。マッサージをしてくれた施術者は男性だったのですが、彼の手が私の足に触れた瞬間に、何と言うんでしょうか、微弱な電気が走るというか、今まで感じたことがないような、不思議な感じがしたのでした。よくYouTubeで紹介されている足底マッサージのような、顔が歪んでしまうような痛さを感じることはまったくなく、むしろ物足りないくらいだったのですが、それでも施術者の手が帯電しているのではないかと思うような、なんだか不思議な感覚がありました。これが、ひょっとした“気功”というものなのかとも思ったりもしましたが、実際のところはどうだったのかわかりません。それでも、施術を受ける前までは、血液の循環が滞っているような感じで、足が重くて歩くのもしんどかったのですが、受けてからしばらくの間、足が疲れることもなかったので、やっぱりマッサージの効果はあったのだろうと思います。台湾の素晴らしい文化の一つを、実際に体験することができて、とても良かったと思います。
このように、足底マッサージをしてもらって、実際に不思議な体験をしたものですから、私が台湾に滞在中に、両親が台湾観光を兼ねて遊びに来たことがあったので、親孝行のつもりで、両親を足底マッサージの店に案内しました。両親には、これまで親孝行らしいことができなかったので、まあ、両親の健康のことも考えて、ぜひ私が体験したような不思議な感覚を味わってもらいたかったのです。しかし残念ながら、両親とともに来店したときには、私に施術してくれた男性は店におらず、両親に、彼の技を体験させてあげることができませんでした。実際、両親からは、それなりの反応しか得られなかったので、まあ、私が言うほど、びっくりするようなものではなかったようです。やっぱり、足底マッサージ全般についての感覚なのではなく、私が体験した施術者に特有の“気功”だったのかもしれません。
これまで述べてきたように、私が台湾に滞在している間に、私の体も、いろいろとガタがきてしまったので、これまで以上に自分の健康に目を向けさせられ、せっかく台湾に来ているのだからと、足底マッサージだけではなく、いろいろとチャレンジさせてもらいました。全身マッサージもしてもらいましたし、耳掃除をしてもらったこともあります(耳掃除も、台湾の名物の1つだろうと思います)。また、台湾式シャンプーといって、椅子に腰かけた状態で、シャンプーしてもらいながら、ヘッド・スパのようなリラクゼーションを体験してきました。これまで海外留学をしていたときや、海外で生活をしていたときとはうってかわって、10カ月という短い間でしたが、台湾の様々な文化を体験させてもらったと思います。これも、膝を悪くしてしまって、歩くことさえ難渋してしまったことの、まさに怪我の功名だったのではないでしょうか。やはり、研究者にとっては体が何よりの資本なわけですから、健康にこれまで以上に注意を向けるようになったことは、台湾で生活して良かったことの1つだったのだろうと思います。
台湾では、歴史的な建物をいたるところで見ることができます。台湾の独特の建物を眺めていると、とても心惹かれるものがありました。 三代