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精神保健福祉士(6)精神保健福祉士国家試験

精神保健福祉士(6)精神保健福祉士国家試験

 

 合格発表は、2014(平成26)年314日に行われました。合格基準点が163点満点で81点のところ、私は辛くも101点を取ることができ、幸運にも合格を果たすことができました。まあ、それまで自然科学を専門的に学んできたわけで、福祉の領域については知識がほとんどない状態から勉強してきたわけですから、このような点数ではあっても上出来だったのではないかと思います。それまでの一般養成課程で30本にもおよぶレポートの提出ですとか、何十日にもおよんだ実習での苦しみも、精神保健福祉士合格で報われることになりました。

 

 ここからは余談ですが、以後再び介護職としてアルバイトに応募することがたびたびあったのですが、精神保健福祉士という国家資格は、高齢者介護の世界では、ほとんど顧みられることはありませんでした。私は、特に認知症高齢者が地域で幸せに暮らしていけるためにはどうしたらいいのかという問題意識から精神保健福祉士というソーシャルワーカーとしての資格を目指してきたわけですが、高齢者介護の世界では、認知症高齢者の地域社会での生活という観点を持って介護の仕事に従事する職員は、必要とされていないのではないかという印象を持つことになりました。やはり介護の世界では身体介護がもっぱらであり、高齢者介護においてソーシャルワーカー的な視点を持って介護というケアワークを行うということは、現行の介護保険制度の枠組みの中では、ほとんど考慮されていないのではないかと思います。これまでたびたび論じてきましたが、高齢者介護、特に認知症高齢者の福祉・介護における介護保険制度の限界がここにも現れているのではないかと思います。

 

家族による介護の行き詰まりが、高齢者介護を社会的に支えていこうとする介護保険制度の導入をもたらした一因であったという経緯があるわけですが、このように、現行の介護保険制度による限界が、私にはいたるところに感じられてしまうなかで、介護保険制度から離れて、もう一度、家族による介護のあり方について、見直してみる必要があるのではないかと考えるに至りました。すなわち、家族の有する機能を改めて問い直し、良いところを再び活かすとともに、悪いところや弱点を改善して、さらに良いシステムを考えていかなければならないのではないかと思います。精神保健福祉援助実習の中で学んだように、実現可能な短期的目標を設定し、その実現を目指して行動していく中で、新たな問題や課題を見つけ出し、それに対する対策を具体的に考えて、さらにより良いシステムの構築に向けて努力を重ねていくという姿勢が、私には求められているのではないかと考えています。精神保健福祉士という資格は、高齢者介護の世界ではほとんど顧みられることはありませんが、私自身にとっては、資格取得に向けた過程において多くのことを学ばせてくれたと思います。精神保健福祉士一般養成課程の中で出会った多くの方々に感謝したいと思います。


 

 

 

 

精神保健福祉士という資格は、認知症高齢者の福祉・介護の世界ではほとんど顧みられることはありませんでしたが、精神保健福祉士一般養成過程では多くのことを学ばせていただきました。この課程の中で出会った多くの方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。  三代