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認知症対応型グループホームD(4)辞めた理由

認知症対応型グループホームD(4)辞めた理由

 

これまで何度も述べてきたように、このグループホームを運営していたのと同じ企業が運営していた有料老人ホームでの苦い経験があったので、正直、この施設で再び働くことはとても嫌だったのですが、有料老人ホーム時代にお世話になったこともある新しい施設長から誘われたこともあり、週1日程度であれば我慢できると思って働いてきました。しかし、職員が不足している中、だんだんと私がこのグループホームで勤務する日数が増えてきたのでした。まあお世話になっていたので、人が足りないから勤務に入ってくれと言われた時には、できるだけ入るようにしていましたが、しかしそれはあくまでも好意からでしたし、あくまでも一時的なものだと私自身考えてもいたので、このままズルズルと勤務日数を増やしてもらっては困ると思っていました。なので、職員が足りない分はどうか職員を増やしてくださいとフロア・リーダーに何度もお願いしてきたのですが、一向に改善されることはありませんでした。当時私は、このグループホームのほかに、別の企業が運営していたデイサービスで、週1回程度で夜勤に入っており、いわゆるダブルワークの状態でした。なので、このままズルズルとこのグループホームでの勤務日数を増やされてしまうと困ることになるので、私がこのまま中途半端な形で勤務を続けるのではなく、不足している職員を補ってもらうためにも、辞めることにしたわけです。

 

このグループホームは、はっきりと言ってしまえば、少人数の小型有料老人ホームのようなものだったと言えるのではないかと思います。料理や掃除などの家事といった利用者の活動の機会がほとんどなく、一般的なグループホームの良さがまったくなかったと思います。運営している企業にも、高齢者福祉に対する理念はあまり感じられませんでした。確かに経営は苦しかったのかもしれませんが、職員が絶対的に少なかったなかで、前にも述べたように、職員としての自由度が極度に制限されている状況では、どうにもすることはできませんでした。介護事業所の経営についてはまったく分からないのでなんとも言えないのですが、この施設を運営していた企業としては、人件費を抑えることによって、辛うじて利益を得ようとしていたのかもしれません。認知症高齢者が幸福に暮らしていけるような高齢者福祉を実現していこうというよりも、高齢者を一か所に集めておいて、テレビでも見させておきましょう的な、国の進める高齢者福祉の方向性に、どっぷりとはまっていたような印象を受けました。このままこのグループホームで介護職を続けることは、利用者に対しても申し訳ない気持ちが強くなったこともあり、辞めることにしました。このグループホームでは、2014(平成26)年11月から2016(平成28)年7月までの19か月の間お世話になったことになります。最初の頃は、週1日程度の勤務だったので、月に45日程度の勤務日数だったのですが、辞めるまでの数ヶ月の間、月に10日以上勤務していました。2015(平成27)年7月からは他の企業が運営していたデイサービスで夜勤の仕事を始めていたので、このままズルズルと勤務日数を増やされるわけにはいきませんでした。確かに、この施設を運営していた企業に対してはいい印象は持っていませんが、それでも入居されていた利用者の方々にはとてもよくしていただいていたので、辞める時には、とても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もっと良い高齢者福祉の世界があるという確信を持っていたのに、それをここで実現できず申し訳ないと思いました。


 

 

 

 

 

以前勤務していた有料老人ホームでお世話になったことがある当時の施設長から誘っていただいたこともあり、週1日程度で働くことになったグループホームでした。しかし、職員の不足もあって、だんだんと勤務日数が増えていくことになりました。職員が足りなければ、職員を新しく採用してくださいと再三訴えたのですが、いっこうに増やそうという様子も見られなかったため、他の事業所での勤務もあったので、このグループホームを辞めることにしました。

 

認知症対応型グループホームというよりは、小型の有料老人ホームといった感じで、利用者の地域での生活ですとか日常生活の機能訓練といったことはまったく顧みられていなかったと思います。法には触れなかったのかもしれませんが、職員の数が絶対的に不足していたこともあり、私たちが職員としてできることは、極めて限られていました。  三代