介護福祉士(1)受験資格
これまでは、ヘルパー2級、および、高齢者介護の世界ではほとんど顧みられることのなかった精神保健福祉士という資格を持って介護職として勤務してきました。介護の現場でいろいろな体験を積み重ねながら、高齢者、特に年老いた親を介護するという人間本性にも関わる人間行動を進化遺伝学的な観点から考察していくことが私の本分だと考えていましたし、その研究をいくらかでも自分自身で経済的にサポートするために、介護職としての仕事をしてきたこともあり、正直なところ、自分の資格的な立場にはそれほど強いこだわりはありませんでした。そんななか、認知症対応型グループホームDとデイサービスセンターCでダブルワークしていた時に、介護福祉士国家試験を受験するための資格が一応得られることになりました。
現在はどうなっているのか、ちょっとわからないのですが、当時、介護福祉士という国家資格を取得するためには、いつでも誰でもが介護福祉士国家試験を受験することができるというわけではありませんでした。介護福祉士の資格を取得するためのルートにはいくつかあって、受験者のバックグラウンドによっても異なってくるのですが、福祉系の学校や介護福祉士の養成校の出身者ではない私のような一般的な受験者には、介護職としての実務経験を重ねた上で与えられる実務経験ルートがありました。この実務経験ルートで受験する場合、次の年の2016(平成28)年度の第29回介護福祉士国家試験からは、実務者研修という介護員養成研修を終了することが資格要件として加わってくることがわかっていたので、この年のうちに取得しておいたほうがいいということになったわけです。と言いますのは、実務者研修に参加するだけでも多くの時間がさらに必要になりましたし、何よりも、研修に参加するのに、再び何万円、何十万円という巨額な費用がかかってきてしまうためです。そうなってしまったら、もう介護福祉士など取りたいとは決して思わないでしょうから、取れるうちにとってしまっておいたほうがいいということに心が傾きました。