介護福祉士(4)介護技術講習
介護技術講習の内容は、介護過程の展開、コミュニケーション技術、移動の介護等、排泄の介護、衣服の着脱の介護、食事の介護、入浴の介護等、総合評価の8項目からなっており、合計すると32時間以上の講習となりました。私が受講した講習会は、2015(平成27)年9月22日から10月13日にかけて、1週間おきに合計4日間行われ、朝の8時30分から始まり、大体17時30分ぐらいに終了していました。講義ももちろんあったのですが、実際に数人ごとにグループとなって、役割を交代しながら行われる介護技術の演習がメインだったと思います。排泄や入浴、食事などの介護において、モデルとして設定されている利用者の状態や状況を考えながら、実際にどのように介護を行なっていくかを、受講生の間で役割を交代しながら演習していくわけです。具体的な介護技術の習得も重要だったと思いますが、それと同等以上に、利用者の方にどのような声かけをしていくかというコミュニケーションの取り方も重視されていたように思います。
それぞれの演習では、最初にインストラクターが実際にどのように介護を行っていくのかを、模範として一通り実演してくれましたが、もう次には実際にグループに分かれて、それぞれのグループのメンバー同士で役割を変えながら、実際に演習していくことになりました。そんな、1回見ただけではどうしたらいいかわかるはずもないのですが、やっぱり、同じグループの他の受講生に見られている中で実技をするわけですから、あまりにもひどいと、恥ずかしくていたたまれない思いをすることになります。なので、実際に自分の順番になるまで、前に行っていた受講生の実技を、心臓をバクバクいわせながら必死になって観察していました。介護技術については、これまで実際に介護の現場で実践してきたわけですから、多少は理解できたと思うのですが、それでも初めて見たり聞いたりすることも結構ありました。私が一番苦労したのは、利用者に対する声かけやコミュニケーションだったと思います。私は普段の生活においても他人とのコミュニケーションを苦手としてきたと思うので、やはり利用者に対する声かけやコミュニケーションが必要な時に、必要以上に意識してしまうと思いますし、ロールプレイのように演技が入ってしまうような状況ではなおさら照れも入ってきて、正直困りました。それでも、それぞれの介護の場面において展開される一つ一つの行動や声かけの背後に、ちゃんとした理論的、論理的な裏付けがあることが、講師やインストラクターからとてもわかりやすく説明していただけたこともあり、納得しながらそれぞれの演習を積み重ねることができたように思います。介護福祉士役の講師やインストラクターが実際に模範を示しているときに、利用者役のインストラクターとどのようなコミュニケーションがとられ、どのような介護技術が使われていたのかをできる限り見逃すまいと思って、必死になって観察し、逐一メモにとろうとしていました。おそらく10代、20代の若者もたくさん受講していたように思いましたが、そのような若者であれば1回見ただけで記憶もできるのでしょうが、私のように歳をとってしまうと、一度見ただけではなかなか覚えられません。なので、できるだけ詳しくメモを取って、家に帰ってからそれを台本のようにして、利用者とどのようなコミュニケーションを取りながら、どのような介護が行われていたかを暗記してしまうつもりで、何度かイメージトレーニングを積み重ねながら勉強していました。