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介護福祉士(6)介護福祉士国家試験

介護福祉士(6)介護福祉士国家試験

 

 私が受験した第28回介護福祉士国家試験は、2016(平成28)年124日(日曜日)に行われました。午前と午後に分かれ、午前中の試験では、人間と社会および介護の領域に関する試験科目が出題され、午後の試験では、こころとからだのしくみ、総合問題の領域に関する試験科目が出題されました。出題数は全部で120問あり、五肢択一を基本とする多肢選択形式でした。以前にも述べましたが、私はこの2年前に精神保健福祉士国家試験を受験するために、福祉関連の領域を一通り勉強してきたので、それほど筆記試験には不安を感じていませんでした。しかし、午前中に行われた試験の第1問目に、糸賀一雄の「この子らを世の光に」という障害者福祉に関する思想について問う問題文を見て、今までの試験の傾向とは少し異なっているのを感じ、身が引き締まると言いますか、油断しているとやられてしまうと警戒したのを覚えています。

 

 試験の結果は、2016(平成28)年328日に発表されました。筆記試験の合格基準点は、120点満点中71点でした。通常の基準点は、60%程度ということだったので、ほぼ通常通りの基準点だったのだろうと思います。私は、午前中の第1問目から警戒警報を発令したことが功を奏したようで、120点満点中106点で合格することができました。もちろん、実技試験は介護技術講習を受講したため免除となっていたので、筆記試験の結果をもって、無事に介護福祉士の資格を取得することができました。

 

 今回、国家資格である介護福祉士を取得するにあたって、いろいろと得るところがあったように思います。一つは、実技試験を免除してもらうという、とても軟弱な理由ではありましたが、それでも介護技術講習に参加して、自分の介護技術というものを、ある意味客観的に振り返ることができたのではないかと思います。と言いますのは、やっぱり、みんなが見ている前で、みんなに笑われながら、大変恥ずかしい思いをして介護技術の演習を積み重ねたわけですから、改めて自分の介護技術を振り返らざるを得なかったと思うためです。また、介護福祉士として、利用者に対して行う介護技術の背後にある理論や根拠、声かけの論理といったものについて、気付かされることもたくさんありました。例えば、介護福祉士が利用者の右後ろを歩いていたとすると、ただなんとなく、たまたま利用者の右後ろを歩いていたわけではなく、そうしているのにはそれなりの理由があったわけです。もう一つは、試験の第1問目に出題されていた糸賀一雄について、試験が終わった後、彼の著書を購入し、福祉について改めて学ぶきっかけが得られたことです。この時に、障害者福祉の日本の偉大なる先人のことについて学ぶことができたことは、とても有意義だったと思います。介護福祉士の資格が得られたことよりも、私にとっては重要だったのではないかと思いました。

 

 まあ、願書を提出するときに、人事部がなかなか必要な書類を発行してくれなかったり、内容証明郵便を私が実際に送りつけるような事態にまでいたってしまったりと、あいかわらず不愉快な思いを味わい続けていましたが、なんとか介護福祉士の資格を取得することができました。資格が持つ意味は人それぞれ違うものなのでしょうが、私にとっては、介護職として現場で一応3年以上勤務してきたことを証明してくれる、いわば介護職としての実務経験証明証のようなものだろうと思います。介護福祉士の資格をとったからといって、仕事が楽になるわけではありませんが、介護福祉士ですといえば、一応この人は現場で3年以上介護職をしてきた人なのだとわかってもらえることになります。なので、私にとって介護福祉士という資格は介護の世界における履歴書のようなもので、それ以上のものでも、それ以下のものでもありません。


 

 

 

 

 

 

 

介護福祉士の資格を取得したからといって、仕事が楽になるわけでもなかったのですが、介護福祉士ですといえば、「ああ、この人は少なくとも3年以上介護職として勤務してきたのだな」ということがわかってもらえるものだろうと思います。資格のもつ意味は、人それぞれ異なるだろうとは思いますが、私にとっては、いわば、介護職としての実務経験証明書のようなものなのだろうと思います。  三代