介護支援専門員(1)介護支援専門員とは
日本では、介護を必要としている高齢者のために、介護サービスや社会的サービスの調整、管理を司る“介護支援専門員”(ケアマネジャー、ケアマネ)と呼ばれる専門職が導入されています。ケアマネは、介護保険法において、要介護者等からの相談に応じ、市町村や介護サービス事業者等との連絡調整等を行うものであり、利用者が自立した生活を営むように必要な援助に関する専門的な知識や技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの、などとして定義されています。言い換えると、ケアマネが介護保険制度において果たす主要な役割は、高齢者とその家族のケアニーズと健康問題を評価し、個々の利用者についてのケアプランを作成するとともに、ケアサポートサービス提供者を調整し、そして定期的に利用者の健康状態と、ケアサポートやサービスの適切さをモニタリングして評価することになります。
介護保険制度のもとでは、日常生活を送る上で介護サービスを必要とする高齢者は、ケアマネから介護サービス利用についての援助およびそれらのサービスの管理を受けることになり、それゆえ、ケアマネはそれぞれの利用者のための個別のケアプランを作り出す上で中心的な役割を果たすことが期待されています。このように、介護保険制度のもとで大きな役割を担っているケアマネですが、介護支援専門員という資格を取得するためには、私が受験した当時には、以下のような段階を踏まなければなりませんでした。
(1) 厚生労働省令で定める一定の実務経験を満たす(私の場合であれば、ヘルパー2級課程終了後、介護等の業務に通算して5年以上従事し、実際に介護等の業務に従事した日数が900日以上)。
(2) 都道府県知事が行う介護支援専門員実務研修受講試験に合格する(私の場合であれば、東京都介護支援専門員実務研修受講試験)。
(3) 実務研修の課程を修了する。
(4) 都道府県知事の登録を受ける(私の場合であれば、東京都知事)。
(5) 都道府県知事に対して介護支援専門員証の交付を申請し、介護支援専門員証の交付を受ける(私の場合であれば、東京都から)。
なので、ケアマネ試験に合格すれば自動的にケアマネジャーの資格が与えられるというものでは決してなく、あくまでも介護支援専門員実務研修を受講するのに必要な知識を有しているかどうかが問われているのであり、たとえケアマネ試験に合格しても、その後には何日間、何十時間にも及ぶケアマネの実務研修が待っていることになります。私が受験した当時、ケアマネ試験の合格率は、年によって変動はあるものの、だいたい15〜20%程度だったので、まあ、決して楽な試験ではなかったと思います。