介護支援専門員(6)介護支援専門員実務研修
実習の2日目には、実習指導者の後ろにくっついて利用者のご自宅に伺い、実習指導者が実際に利用者のアセスメントを行う過程を見学させていただきました。その後事業所に戻って、実習指導者を利用者とその家族としたロールプレイの中で、アセスメントの模擬面接を行うことになっていました。ただでさえ他者とのコミュニケーションが苦手な私でしたが、そのうえに相手が実習指導者であるベテランのケアマネということで、かなり緊張してしまったと思います。私の場合、融通を利かせることができず、最初の質問項目から順に項目を埋めていくことに神経が向いてしまい、結局相手に気楽に話をしてもらえるような、そんなフランクな雰囲気を面接の場で作ることはできなかったようです。実習指導者からは、なんだか尋問を受けているみたいで、息が詰まりそうだったという指摘を受けることになりました。もちろん、ケアマネジメントにおけるインテイク面接やアセスメントにおける面接は尋問ではないことは理解してはいましたが、実際に面接してみると、こちらも緊張してしまいましたし、当然相談にきた利用者側も緊張してしまうものなのでしょうから、実りのあるアセスメントを行うためには、それなりの面接の技法というものが必要なのだろうとは思いますが、なにぶんにも初めてに近いことでしたし、相手はベテランのケアマネということで、うまくできませんでした。とはいえ、自分が行なったアセスメント面接について、なんだか尋問を受けているようで息が詰まったという実習指導者からの指摘は、ケアマネとしては決定的な欠陥を指摘されたような気がして、やっぱりちょっとショックでしたし、私自身そんなに憲兵みたいだったかなあと、自問したりもしました。そんなこともあったので、後期の研修が始まった時に、実習をとおして気づいたこと、実践上の課題と目標として、以下のように報告しました。
今回は特に、1回のアセスメントですべてを聞き取らなければならないと考えたため、利用者役の実習指導者から、アセスメント面接が尋問的であったとの指摘を受けた。アセスメント項目を埋めていくことよりも、利用者の話しやすいところから入ることや、話しやすい雰囲気、アイコンタクトなどに気を配り、すぐにすべてを把握しようと焦らないようにすることが、まず大きな課題になったと思う。
実習指導者からは、質問項目を埋めていこうとは思わずに、利用者が話しやすい事柄から話を始めていけば、相手から話も聞き出しやすくなるものなので、経験の中で自然に身について行くものだから焦らなくても大丈夫だとフォローしていただきました。しかしながら、実習指導者からの指摘は、長年の経験から身についていくものなのでしょうから、はじめてに近いアセスメント面接で受けた指摘としては、かなり高度なご指摘だったのではないかと思います。初めての面接の場でそんなことできるわけないじゃんと心の底では思いましたが、それでも厳しいご指摘は、実習の中での何物にも代えがたい大切な経験なので、ありがたく思いました。