小規模多機能型事業所H(5)老老介護
在宅で高齢者を介護する場合、その高齢者を介護する介護者もまた高齢である配偶者である場合が多いということもあって、その困難な社会的状況を表す言葉として“老老介護”という言葉がありますが、おそらくこの言葉をテレビや新聞などの報道を通じて耳にしたり目にしたりされたことがある人も多いのではないかと思います。私自身のこれまでの数年にわたる介護職員としての経験からも、高齢者介護という仕事がいかに大変かということをまざまざと見せつけられてきましたし、介護を必要としている要介護者はもちろんのこと、その要介護者を介護している介護者の大変さや苦しみもまた、これまでの経験に照らして、素直に理解することができます。介護は先が見えないと言われますが、ただでさえ大変にも関わらず、出口が見えないことでその負担感は計り知れないものになってしまうでしょうし、それを支えているのが要介護者と同じ高齢者であるとするならば、その大変さや負担感は言葉では表せないかもしれません。高齢者介護を地域社会で支えていこうという考え方は、この老老介護という状況を考えたときにも、おそらくその支援体制の整備が急がれる喫緊の課題なのだろうと思います。しかし老老介護という状況は、どうやら在宅での高齢者介護に限る話では必ずしもないのではないかと思うような状況に、この小規模多機能型事業所で出くわすことになりました。 (続く)