英語の勉強 5ー私が英語を苦手にしてきたわけ 1

英語の勉強 5ー私が英語を苦手にしてきたわけ 1

 

私が英語を苦手としてきた理由は、恐らくいくつもあったのだろうと思うのですが、今から思い返してみると、その一つは、英語に特有のリズムといいますか、拍子とでもいうのでしょうか、なんだか、タッタカ、タッタカ、タッタカタ、・・・というような英語の独特のリズムに、どうしても馴染めなかったということがあったと思います。私がアメリカの大学院に留学する前に、アメリカの語学学校に通っていたときに、コースのはじめの方で、アメリカ人の話し方にはリズムがあることを、現地の先生から教えられました。手を叩いて拍子を取りながら、英文をその拍子に合わせながら喋っていくということを教えてもらったのですが、私にはどうしてもうまくできなかったのですね。向こうの先生も日本人は苦手にしている人が多いということをよく知っていたようで、あまり真剣に教えようという気もなかったようなのですが、私ももう、自分には無理だと思ってしまって、まともに練習しませんでした。でも、今から考えてみれば、私がまともに英語を話せないのも、私のリスニングの力が弱いのも、おそらくこの英語のリズムを最初に身につけることができなかったからなのではないかと思いました。

 

私がアメリカに滞在していた1990年代には、確かラップのような音楽も盛んに流れていたように思います。あの独特の、短い小節の中に言葉を無理やりねじ込んでいくような感じが、どうにも苦手でした。私はもともと、あまり喋らない人間なので、舌も滑らかに動かないですし、あのラップの調子で急いで言葉を喋ろうとすると、舌を噛んでしまったり、舌がつってしまったりしてしまうのではないかというような、呂律の回らなさを痛感することになりました。ただでさえ、リズムをつけられてしまうと聞き取りにくかったのに、私がアメリカに滞在していた当時、特に黒人の人たちの話し方が、なんだか、すべてラップのように聞こえてしまって、何を言ってんだか、さっぱり分からなくなって、まったくお手上げ状態だったように思います。洋楽の中で、メロディーやリズムに乗って英語が聞こえてくると、もうどうにもなりませんでした。向こうの人にとっても、日本人のしゃべり方は、抑揚がほとんどなく平板だと思われているようですが、少なくとも私にとっては、アメリカ人に、リズムや抑揚をつけて話しかけられてしまうと、ああ、もうダメ、といった感じになってしまっていたと思います。