英語の勉強 23ー英語力向上のためにおこなってきたこと 14
英語力を向上させるためにおこなってきたことというよりは、結果として英語力が多少はましになったといったこととして、英語の本を読むことが挙げられるかなあと思います。これまでに何度も申し上げてきたことなのですが、私はどうにも英単語を覚えることが苦手で、高校在学中や大学受験の時、アメリカ留学のためのTOEFLや GREのテストの時にも、英単語にはさんざん苦労させられてきました。まあ、これらのテストで、なんとか要求されていたスコアを取ることができ、しかも、ろくに喋れもしない日本人を勉強させてもいいと言ってくれる大学院を、幸運にも探し当てることができたので、なんとかアメリカの大学院に留学することができたのですが、でも当然のことながら、現地での授業はもちろん英語で行われましたし、教科書やプリントなどももちろん英語で書かれています。アメリカの大学では、これでもかというくらい分厚い教科書を、いくつもの授業で読み進めていかなければならないですし、何十ページにもわたるレポートを書くのも、もちろん英語で書かなければなりません。今から思い返してみても、かなり無茶なことだったのだろうと思います。若かったからだと思いますし、やっぱり、それまでおこなってきた自分の研究を新たな段階へと推し進めていきたいという希望に燃えていたからだろうと思います。
やっぱり、アメリカの大学院での授業は、とても苦労しました。もともと英単語力がなかった上に、大学院の授業では、英単語を覚える時間的、精神的な余裕はまったくありませんでした。前にも書いたと思いますが、私はもう会話の方は、なんとか必要最小限のところは押さえて、あとのほとんどは捨ててしまっていましたし、リスニングも、クラスメイトたちが何を言っているのかほとんどわかりませんでしたから、もう自分で関係する本をたくさん読んで、独学に近い感じで授業に臨むよりほかありませんでした。しかし私には単語力がなかったので、人一倍、本を読むのに時間がかかりましたし、わからない単語にもたくさん出くわしてきました。ただ、私はあまり要領がよくないのですね。私自身、それはよくわかっていたので、とにかく一番はじめから本を読んでいって、わからない単語に出くわしたら、必ず辞書で調べるようにしていました。といいますのは、私自身、わからないまま読み進めても、わからない箇所がどうにも気になってしまって、結局戻って調べることになってしまうためです。だったらもうはじめから、わからない単語に出くわしたら、必ず辞書をひくようにすることに決めていました。“首っ引き”という言葉がありますが、まさに辞書と首っ引きで、英語で書かれた教科書を読み進めていきました。そうこうしていると、だんだんと辞書をひくのがまったく苦にならなくなっていくのですね。わからなかった単語を辞書で調べても、調べた単語を覚える時間的、精神的な余裕はなかったので、最初のうちは、前の方で出てきた、見覚えのある単語を、何度も何度も辞書で調べなければならなかったものですから、さすがに自分の頭の悪さが嫌になってしまうこともありましたが、わからなかったら、そのわからなかったことのペナルティーのつもりで、何度も何度も同じ単語を辞書で調べるようにしてきました。そのおかげで、もう辞書をひくことが面倒だとうんざりしてしまう私の神経は、すっかり麻痺してしまったのだろうと思います。
私はアメリカの大学院に留学して、とてもしんどい、大変な思いを味わってきました。しかし、もし私にアメリカに留学したことの何がしかの財産ができたとするならば、それは、わからない単語に出くわしても、必ず辞書をひく習慣ができたこと、辞書をひくことがまったく苦にならなくなったことだったのではないかと思っています。