翻訳作業 18日目
本日は、昨日と同じ段落の後半部分です。”老化のメカニズム”と”老化の進化のメカニズム”の違いを喚起するために、私は以下のように記述しています。
特に日本では、人間の生命に関わることは、医者の専権事項として取り扱われていることも多く、ガンや心臓病といった生命を脅かす病気のメカニズムなどについては、特に医学の領域で研究も盛んに行われているでしょうし、また、アンチ・エイジングや若返り・若作りに対するこだわりのようなものも一般に広まっているようですので、老化や死のメカニズムについて考える機会は、あるいは少なくないかもしれません。しかし、“老化の進化”のメカニズムとなると、はて?と感じてしまう人は多いのではないでしょうか。(三代、2021、p. 4)
いくつか、私がこれまでに使ったことのない英単語が出てきたので、少し違和感があるのですが、それでもとても良い英訳にすることができたと思います。
Especially in Japan, matters concerning human life are often exclusively addressed within the realm of medical science. Notably, research on the mechanisms of life-threatening diseases such as cancer and heart disease is actively conducted, particularly in the field of medicine. As trends such as anti-aging, rejuvenation, and methods for a youthful appearance gain popularity among the general public, there might be numerous occasions to ponder the mechanisms of senescence and mortality. However, when it comes to comprehending the concept of the “evolution of senescence,” I believe many Japanese individuals might find themselves wondering what it truly means.
”老化のメカニズム”と”老化の進化のメカニズム”は、眺めている側面が異なっています。老化のメカニズムは、例えば、分子遺伝学や細胞学、生理学の知見を集めた領域に関わってくるのだろうと思いますが、老化の進化のメカニズムは、突然変異や自然選択などのような進化的な力が、どのようにして老化や死といった現象を形作ってきたのか、その集団遺伝学的な過程に焦点が置かれており、生物学の中では生活史の進化の領域で扱われているテーマです。ここらへんをはっきりと理解していないと、お互いに実りの多い議論はできないと思います。