翻訳作業 後期第17日目

翻訳作業 後期第17日目

 

本日は、昨日と同じ段落の続きです。ホームヘルパー2級課程と当時呼ばれていた介護員養成講習を受講する中で、高齢者介護施設での実習を受けていたときの率直な感想を述べているところなのですが、私は本文の中で以下のように記述しています。

 

結構な数の高齢者がホールに集められ、カルタなどのゲームや、ボランティアによる音楽会、お茶を飲んだりと、さまざまなアクティビティーをしながら時間を過ごしていました。楽しそうにしている人も確かにいましたが、その一方で、帰りたがる人や一人で寂しそうにしている人もいました。オレなら耐えられないなあと正直思いながら、みんなの様子をうかがっていました。広間の片隅で、一人本を読んでいた利用者のことを今でも覚えています。みなさんは、デイサービスに来ている高齢者がどのように時間を過ごしているか知っているでしょうか? ご自分の夫や妻、父母がどのような気持ちで過ごしているか想像できるでしょうか? 確かに、デイサービスに行きたくて行きたくてたまらない、毎日楽しみにしているという高齢者がいることは事実だと思いますし、実際そういう利用者に出会ったこともあります。そういう人は施設にいけばいいと思います。でもほとんどの高齢者は、毎日レクで歌を歌ったり、誰だか知らない人たちの隣でお茶を飲んだり、おしゃべりをして過ごしたいとは決して思っていないと正直私は思いますし、恐らくそういう存在であることが耐え難いことだと思っているのではないかと思います。(本文 p. 126)

 

私自身、これまで周りとうまくやっていこうということをあまり考えずに生きてきましたし、何がなんでも一人がいいというつもりはまったくないのですが、結果として一人でいることが多いので、もし自分が介護が必要になり、医師からデイサービスに行きなさいといわれたら、私の場合であれば、はっきりとお断りしていることだろうと思います。人がいるところは基本的に居心地が悪く、できるだけ近づきたくはないからですが、その場合には、どうしたら他人からの介護を必要とせずに生きていけるのかということを、これから考えていかなければならないのだろうと思います。いずれにしても、日本の認知症研究の第一人者であった長谷川博士がおっしゃられていたような、医者の立場からはデイサービスに行くように勧めてみたものの、いざ自分が通うようになってみると行きたくないと思うことがあるという状況を彷彿とさせるような光景を、初めての高齢者介護施設での実習の中で実際に私自身の目で目撃することとなり、日本における高齢者介護制度、高齢者介護政策に対して強烈な違和感を感じることとなりました。自分が受けたいとは思わないサービスを提供しなければならない介護職員としてのジレンマとでもいうのでしょうか... ということで、以下のような英訳を得ました。 

 

In the hall, a large number of elderly individuals were gathered, and engaged in various activities such as playing games like karuta, attending concerts by volunteers, and enjoying tea. While some appeared to be having fun, others expressed a desire to go home, and some were alone, radiating a sense of loneliness. I kept checking on everyone, honestly believing that I would not be able to handle the situation. I still vividly recall an elderly user reading a book in a quiet corner of the hall. Have you ever wondered how elderly individuals spend their time in day care services? Can you imagine the feelings of your husband, wife, or parents as they navigate their time there? It is true that some elderly individuals eagerly anticipate their daily attendance at day care services, and I have personally met such users. I believe these individuals may genuinely benefit from attending such facilities. However, I am skeptical that the majority of elderly individuals wish to spend their days engaging in recreational activities, such as singing songs, drinking tea with strangers, and chatting casual conversation. I believe many find it challenging to exist in such a manner. 

 

当然、私自身が受けたいとは思わない介護サービスを、医師によって私の家族が受ける必要があるという判断を下されたとするならば、もちろん私自身は反対するだろうと思います。しかしその背後には、介護を必要とすると判断された家族が、そのサービスを受けたくないならば、ということがもちろん前提としてあります。もし介護が必要だと判断された家族が、医師の言うままにその介護サービスを受けたいというのであれば、これまで長い間介護保険料を払い続けてきたわけですから、当然の権利としてそのサービスを利用すればいいと思います。ただその場合でも、私のスタンスとしては、あくまでも、デイサービスに行きたくないのに無理やりいかせたり、利用したくないサービスを無理やり利用させたり、入りたくはない老人ホームに無理やり入れたりということはするつもりはないと言うことです。これはあくまでも、介護が必要であると医師から判断された本人の判断と言いますか、希望するところに委ねられるべきものだろうと思っています。  三代