翻訳作業 後期第24日目
本日は、これまでと同じ段落の最後であるとともに、この節の最後の部分です。これまでも何度か話題にしてきましたが、介護職員の不足や離職者の増加といった問題について言及している部分です。私は以下のように述べています。
私も一応、介護職員として高齢者介護の現場にいたので、介護職員の労働条件や賃金の条件については特に切実に感じてしまいます。高い賃金さえ出せば職員は集まると考えているならば、問題は何も解決しないような気がします(馬鹿にするなと怒り出す介護職員も多いのではないかと容易に想像がつくのですが、果たしてどうでしょうか)。団塊の世代がみな後期高齢者(75歳以上)になる近い将来、介護の世界はどうなっているのか、私たちは心して準備していかなければならないと思います。(本文 p. 128〜129)
私の経験から、介護職員になるような方々は、基本的にボランティア精神に溢れており、利用者のことをとてもよく考えている、とても優しい方が多かったように思います。もちろん賃金のことも大事ではあるのですが、それ以上に介護職員の方々が大切にしているものがあると思います。それがわからなければ、問題は何も解決しないのではないかと思います。ということで、以下のように英訳しました。attunedの使い方に違和感があるのですが、自動翻訳による和訳ではそれなりの訳だったので、これで良しとしました。
Having worked in the field of elderly care as a care worker, I am especially attuned to the working conditions and wages of care workers. If you believe that offering high wages alone will attract staff, I do not think the problem will be fully solved. I can easily imagine many nursing care staff members getting upset and saying, "Don't make fun of us," but how does the situation actually unfold? I believe it is crucial for us to carefully prepare for what the world of nursing care will look like in the near future, especially as all the baby boomers enter the late stages of elderly life (75 years or older).
詳しいことについては、拙著『抵抗性のおはなし〜学校に居場所のない君たちへ〜<介護編>』の中で述べているので参照していただければと思いますが、例えば、賃金が2倍になっても、2人分働かなければならないのであれば、賃金を増やしてくれた意味はないわけで、その分、介護という仕事に対するストレスは倍増してしまうことになります。正直、介護職員は使い捨ての消耗品とでも思っているのではないかと憤ったことがありました。介護職員を増やすために賃金を増やせば解決するだろうという意見があるとしたら、この問題は何も解決しないのではないかと思います。新型コロナウィルス感染症が猛威を振るった時の高齢者介護施設での利用者の本当の状況、そして介護職員たちの本当の状況は、ほとんど私たちのところには届いてこなかったのだろうと思いますが、想像するに難くはありません。これからの日本は本当にどうなってしまうのか、こころして見守っていきたいと思います。 三代