翻訳作業 後期第37日目

翻訳作業 後期第37日目

 

本日は、第5章の最後の段落に入ります。メインの本文の最終段落でもあります。私はその最終段落で以下のように記述しています。

 

これまでいろいろと述べてきました。ただ誤解されたくないのですが、私はこの本のなかで、みんなにこうしたらいいとか、こうすべきだということを述べているのでは決してないということを、改めて念を押しておきたいと思います。むしろ、多様な考察の中の一つを提示したまでであり、それに対して賛否いろいろな意見を持たれる方が出てくるだろうと思います。その状況のなかで議論が行われ、様々なアイデアの中から取捨選択が働き(選択が働くことの有利性についてはCziko, 1995参照)、私のアイデアが捨てられることも当然あるだろうと思いますが、拾ってくれる人もいるかもしれず、そこからさらに良いアイデアが生まれてくることを期待するものです。(本文 p. 134)

 

結局、一口に幸福とはいっても、人それぞれ考えていることは異なるものだろうと思いますし、また状況も人それぞれ異なるものだろうと思います。なので、みんなこうしたらいいとか、こうすべきだというつもりはまったくありません。自分の意見を押し付けるのは違うだろうと思います。ただ、私が考えてきたことに賛成できるのであれば、参考にしていただければいいと思いますし、また、ご批判があるのであれば、ぜひ反論をいただければと思います。私も現段階ではベストであると考えていますが、今後も研究を続けて、さらに良いモデルを考えていきたいと考えているためでもあります。ということで、以下のように英訳しました。

 

I have discussed various topics thus far. However, I would like to avoid any misunderstandings and reiterate that in this book, I am not suggesting that everyone had better do this or that everyone should do this. Instead, I have presented just one of a variety of considerations, and I expect that there will be individuals with various opinions both in favor of and against it. In such situations, discussions will unfold, and selection will operate among various ideas (see Cziko, 1995 for the advantages of the action of selection). Consequently, my idea may be discarded. However, simultaneously, some individuals may pick up on it, and I hope that even better ideas will emerge as a result. 

 

私はこれまで何本か投稿論文を書いてきましたが、査読を受ける段階で、結構辛辣なご批判を査読者から頂戴することがありました。確かに、なんでわかってくれないのだろうとガッカリすることも多いのですが、それでもそれらのご批判にさらに反論したり、それらのご批判を採用して参考にさせてもらうことによって、より良くなることが多かったと思います。やはり、自分自身まだ未熟なところがあるからだろうと思いますが、別の視点から考えることによって、今まで見えていなかったことが見えてくることも多いのだろうと思います。ですから、建設的なご批判は決して避けるべきものではなく、むしろ歓迎すべきものだろうと私自身は考えています。  三代